2010年1月31日日曜日

ユンボが見た陶蛍庵(とうけいあん)みとら窯物語

初めての登り窯

平成15年4月 期待に胸弾ませて
登り窯に 火が入れられた 
初めての窯焚き である
とはいえ 登り窯の経験者はいなかった
石油バーナーで火をつけ 赤松を燃やし 
恐る恐る温度を上げていった

初めての登り窯には 
手伝いの人や見物人が 15~6人いた 
お祭り騒ぎだった
1週間焚き続け 1240度を超えた
窯は全て セメントで塞がれた
3週間後 蓋が開けられた 
初めての 窯出し だった

温度に耐えられず 割れたもの 
隣の作品と くっついたもの
想像以上に 良い作品となったものなど
一つ一つに 歓声が上がった

しかし 理想とする登り窯の結果とは 
言えなかった
ご主人様が初めて ガス窯に入れたときと同じ様に
経験しなくては 仕上がりは分からない
という 独学を地で行く 初窯だった

会員の作品が教育長賞受賞

平成17年には 4月と11月の2回 
登り窯を焚いた
一回の窯でも相当数の 
作品が必要だった
そのために 新たに作品を作ったり
焼き直しをするなど 大忙しだった
そこで 素焼きをするため 
自動で焼ける 電機窯 を入れた 

そんな中 すばらしい作品も生まれた
生徒の 堤 澄江が 
高崎市の 陶芸の展示会に出展し
見事 教育長賞を受賞した

ご主人様は 独学でやってきたことが
ある意味 認められたと思った
その後は 
毎年4月末から5月の連休にかけ
年一回 登り窯を焚くようになった




ユンボが見た陶蛍庵(とうけいあん)みとら窯物語

作品保管用のログハウスを建てた 

土にも慣れたのか 
作品作りが楽しくなったようだ
一人 夜遅くまで 
作陶に熱中した日も
たびたびあった 
作品の数も増えてきた
そこで 
作品の保管場所を 作ることになった
3坪ほどのものだったが 
ログハウスを 建てることになった
丸太を運んで 吊るして 支えて 
組み立て 完成した
ご主人様は 私を自在にあやつる 
腕前になっていた

のぼり窯の材料が運び込まれた

草津に 
登り窯をやめた人がいる と聞くや 
飛んでいって 買ってきた
耐熱煉瓦が 山のように運ばれてきた
いつお呼びがかかるのか 心配したが
しばらくは 登り窯は 
作りそうもないので 安心した

本格的なギャラリーハウス

平成12年になると 
本格的なギャラリーハウスを
作ることになった
15坪ほどの ログハウスだった
その内 9坪がギャラリーハウスとして
用意された
陶芸を始めた頃からの 
思い出の作品や
気に入った作品を収納し 展示した

ご主人様が 陶芸をしていることを
知った人が 訪ねてくるようになった
鍵を持って ギャラリーハウスへ 案内し
作品を 見せた

登り窯の建設

平成13年になると 
いよいよ 登り窯の建設が始まった
耐火レンガの積み上げは 本職に依頼し
一個一個積みあげた
約2ヶ月かかったが 仕上がった
しかし 露天だったので 雨が降ると 
土間がぐしゃぐしゃになった
とても登り窯を焚く状態ではなかった
それにもまして 
窯が痛むのが気になった
薪となる赤松も 
保管する場所がなかった

生徒専用の教室を作った

この頃には 陶芸を学ぶ人が5人いた
ご主人様と同じ作業小屋で
作業をしていたので 手狭になっていた
登り窯を守るため 雨が降っても
作業ができるようにと 
屋根を架けることになった
またもや 古い電柱を柱に 
小屋架けが始まった
建坪は45坪あった
一部2階建てにして 約12坪の 
生徒専用の 教室 を作った

ユンボが見た陶蛍庵(とうけいあん)みとら窯物語

作業小屋で猛練習

JRから 貨車を買った
基礎工事には 駆り出されたが
貨車はさすがに重いので 
私の出番はなかった
電気をつけ 水道を引くと 
立派な 作業小屋が完成した

小屋の中で 毎日 陶芸に打ち込んだ
形も崩れず 作品と呼べる 陶器になってきた
その頃から 誰も笑うことがなくなった
陶芸を始めてから 2年が経っていた

窯を焚くたびに 
粘土の特性を生かした 
作品ができてきた
出来上がった作品を見て 
欲しいといえば 
ご主人様は笑顔で 持っていけ
と言って くれてしまった

バーべキュ―ハウスを建てた

平成8年になると バーべキュ―ハウス を建てた
2間まっ角のあずま屋だった
屋根は銅板ぶきの 本格的なものだった
土間を固め 1m角のコンロを作った
稲わらを燃やした 灰を入れた

夏になると 生ビールを持ち込み
仲間を集めて 肉を焼いて
バーベキューを 楽しんだ

陶芸に飽きると 
庭園の手直しが始まった
何トンもある 大きな石を運んできては
あちこちに 置き始めた
ご主人様の頭の中には 
完成後の景観が
インプットされて いるようだ

てびねりを貫く

独学で陶芸を始てから 
一貫していたのが
電気ロクロではなく 粘土を紐にして
ドベイでつなげ 一段ずつ  積んでは伸ばし 
形を作っていく  てびねり という技法だ 
今もてびねり 一筋だ

ユニークだった教え方

この頃には 小板橋昌弘さんは 
自分の教室を持っていたようだ
ご主人さまを頼って 
陶芸を教えてほしい という人が現れた
ご主人様は 快く引き受けた 
作りたいものを作らせ 
アドバイスを聞きながら 
学んでいく という教え方だった
これが後に 自由な発想の 
作品作りへと 進化して行った

ユンボが見た陶蛍庵(とうけいあん)みとら窯物語

森のような庭造り

囲炉裏小屋ができると 
大きなケヤキや紅葉、 梅、つつじ、
目薬の木、柘植など どんどん植えた
60種類くらいの 木を植えた
特に ケヤキは40本くらい植えた
枝がうっそうと茂った 
森のようにするつもりらしい

陶蛍庵(とうけいあん)と命名

一段落すると 寝泊りするための
母屋を を作り出した
建坪は20坪で 一部2階建てだった
中には10坪の 作業部屋が作られ 
陶芸用のガス窯が 設置された
どうも陶芸を始める気らしい

造成工事を始めた頃 
夜遅くなったことがあった
無数の蛍が 乱舞していた 
感動のあまり しばし見とれていた
それを思い出した ご主人様は
この地を 陶蛍庵(とうけいあん) と名づけ 銘石を設置した

初めてのガス釜

小板橋昌弘さんがやってきた 
陶芸をしている人らしい
ここで 陶芸教室をさせてほしいと 
お願いし  生徒を連れてやってきた

ご主人様は わけも分からず 粘土を練り
独学で 陶器を作り始めた
湯のみ茶碗や皿、花瓶などを作った
一応 見た目は 陶器の形をしていた

初めてガス窯 に火をいれ 焼き上げた
かといって ガス窯の知識はなかった
小板橋昌弘さんの知り合いが 
教えていった

子供でもできると笑われた

火で焼き締めたので 形は陶器になっていたが
すわりの悪い湯のみ茶碗や ゆがんだ皿
花瓶は細工をした部分が 砕けていた
中には そこそこの作品もあったが
作品を見た 友達は 
子供でもできるといって 皆 笑っていた

後で聞いた話だが 
素人が陶芸を始めたのだから
まず 粘土の性質や 
釉薬の仕上がりなど 実際に焼いて 
確かめていたのだそうだ

2010年1月29日金曜日

ユンボが見た陶蛍庵(とうけいあん)みとら窯物語










武藤芳男との出会い

初めてご主人様 武藤芳男 に会ったのは 
平成3年のことだった
現在は合併して 高崎市宮沢町になったが 
当時は榛名町宮沢だった

畑とはいえ 荒れ果て
山林と見間違うほどの 土地だった
どうも ここを造成して 
何かを始めるつもりらしい

この年 ご主人様は 
大きな手術をし 命拾いをしたようだ
リハビリと 余生を有意義に過ごすため
山奥深く 清流が流れ 
自然に満ちあふれた 静寂な山里 
この地を選んだようだ 
広さは 1町歩ほどあるらしい 

強引だったご主人様

そんな広い土地の 造成工事を 
一人でやるつもりらしい
ご主人様は エンジンを目いっぱいふかして 
無茶苦茶な操作で 
毎日毎日 強引に 私をこき使った
私の余生のことも 考えて欲しいと 
最初は思った

石垣を作るために 重い石を吊るされたり
木製の電柱を杭にして 打ち込んだり
線路の枕木を 何本も載せられたり 
時には 川に落ちそうになったこともある

それでも 毎日使われていると 
ご主人様の 動きや やりたいことが理解でき 
だんだん 息が合ってくると
楽しくなるから 不思議だ

囲炉裏小屋の建設

造成が進むと なんとなく 全体像が見えてきた
ご主人様の友達が 体の状態を心配したり
造成が進んでいるか 確認にやってくる

すると 囲炉裏小屋 を作ると言い出した
木製の電柱を柱にして 三角屋根の小屋を作った
土間を固め 天井から つるべを吊るして
火を燃やし 鉄瓶で お湯を沸かして
お茶を飲み 一時の休憩を楽しんだ 

2010年1月11日月曜日

みとら窯ブログオープン!

陶螢庵のみとら窯会員によるブログをオープンしました。

陶螢庵WEB管理担当のいっちゃんです。

今後、みとら窯の活動や陶螢庵でのイベント情報、日々の様子などを掲載していこうと思っています。
おもに会員の方による投稿になると思いますので、ご期待ください。


とりあえず、活動場所となる陶螢庵のホームページのご紹介をしたいと思います。

陶螢庵ホームページ トップページ
こんな感じのトップページです。

簡単な陶螢庵のご案内と、代表 武藤芳男先生の作品の紹介、会員の方々の作品紹介などがあります。

今後は陶芸についての豆知識や解説などのページ、イベント情報なども追加していく予定ですので、これから陶芸を始めようという方から、現在趣味で陶芸をされている方まで楽しめる内容にしていきたいと思います。
楽しみにしていてくださいね。