2010年1月29日金曜日

ユンボが見た陶蛍庵(とうけいあん)みとら窯物語










武藤芳男との出会い

初めてご主人様 武藤芳男 に会ったのは 
平成3年のことだった
現在は合併して 高崎市宮沢町になったが 
当時は榛名町宮沢だった

畑とはいえ 荒れ果て
山林と見間違うほどの 土地だった
どうも ここを造成して 
何かを始めるつもりらしい

この年 ご主人様は 
大きな手術をし 命拾いをしたようだ
リハビリと 余生を有意義に過ごすため
山奥深く 清流が流れ 
自然に満ちあふれた 静寂な山里 
この地を選んだようだ 
広さは 1町歩ほどあるらしい 

強引だったご主人様

そんな広い土地の 造成工事を 
一人でやるつもりらしい
ご主人様は エンジンを目いっぱいふかして 
無茶苦茶な操作で 
毎日毎日 強引に 私をこき使った
私の余生のことも 考えて欲しいと 
最初は思った

石垣を作るために 重い石を吊るされたり
木製の電柱を杭にして 打ち込んだり
線路の枕木を 何本も載せられたり 
時には 川に落ちそうになったこともある

それでも 毎日使われていると 
ご主人様の 動きや やりたいことが理解でき 
だんだん 息が合ってくると
楽しくなるから 不思議だ

囲炉裏小屋の建設

造成が進むと なんとなく 全体像が見えてきた
ご主人様の友達が 体の状態を心配したり
造成が進んでいるか 確認にやってくる

すると 囲炉裏小屋 を作ると言い出した
木製の電柱を柱にして 三角屋根の小屋を作った
土間を固め 天井から つるべを吊るして
火を燃やし 鉄瓶で お湯を沸かして
お茶を飲み 一時の休憩を楽しんだ 

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