2010年3月3日水曜日

ユンボが見た 陶螢庵みとら窯物語 Ⅱ

悲しい別れ

平成22年の年明けは
悲しい別れから始まった
初めてののぼり窯以来 
窯焚きが始まると 
これは自分の仕事だと
何があっても 駆けつけてくる
渋沢幸治さんが 
1月3日 天国へ旅たった
55歳の若さだった
「明けましておめでとうございます」
が言えない 悲しい仲間との 
最初の集いとなった

栃木県から 群馬県人になった
一男一女の父親だった
酒が好きで 窯焚きの最中も
よく飲んでいた
結局はその酒が 命取りになった
真面目で 細かい気配りのできる人だった
窯焚きの期間中 疲れも見せず
黙々と 薪をくべ のぼり窯と
戦った 貴重な存在だった

後に行われた 法事では
栃木からやってきた 身内の人が
「群馬県に来て 良い仲間と出会え
幸せだった あんな 穏やかで
優しい顔は 見たことがない」
と遺影を前にしみじみと
語っていたそうだ
ご冥福を ただただ祈りたい

新会員が4人入会した

1月20日 若い女性4人が入会した 
教室がにぎやかで 華やかになった
陶芸をしたこともない 
いわゆるずぶの素人だ
早速 マグカップ作りに 挑戦した
粘土を丸め ひもを作ることから教えた
なかなか 均一な太さにならなかったが
それでも 積み上げ始めた

どべいを塗って ひもをつなぎ合わせる
簡単そうに 先輩たちはやっているが
やってみると 難しそうだ
そんな姿を見て 窯元は 楽しそうに
笑顔を浮かべ 懇切丁寧に 教えていた

新会員が入った事で 
ことさら 燃えている人がいた
藤牧伸夫だった
自分が苦労した日を 思い出しながら
やさしい口調で アドバイスをしている
何とか マグカップの 形になってきた
新会員の1日目は 
何がなんだか分からず 
あっという間に 終わった

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